特別だから言う?当たり前だから言わない?
「机で寝ちゃってたからブランケット掛けておいたよ」後々そう言われたら、私たちはその人にどんな印象を抱くでしょうか?「そうだったんだ、ありがとう」か「それぐらいで恩着せがましいな」か。
こんな話を聞きました。ある住宅メーカーに老夫婦から戸建ての注文が入りました。膝がわるそうだったので、二階にのぼる階段の高さを上にのぼるにしたがって、一段一段少しずつ低くしていったそうです。そのおかげで階段をのぼりはじめて辛くなってくる後半も楽にのぼることができるという話。大工さん泣かせの設計ではありますが、素晴らしい考えだなと思いました。その老夫婦はそのことを知らずに過ごしているそうです。
これが、その住宅メーカーにとって特別なことであれば「階段にこんな工夫を取り入れました!」と依頼主に伝えていたかもしれません。でも、お客さんに合わせて配慮することが当たり前な考え方だったため、あえて伝えることもなかったのでしょう。
「先月、沖縄に行ったんだ」。毎月仕事で行っている人はきっと言いません。もちろん、当たり前でも言うときもあれば、特別でも言わないときもあるとは思いますけどね。
あなたにとっての『当たり前だから言わないこと』はどんなことですか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。