エクセルを見れば分かる？

　表計算ソフトのエクセルで作ったリストを見れば、その人のデザインの力が分かると言われたことがあります。何色も用いて見た目の豪華さにこだわる人もいれば、余白を多くとったデザインで文字を小さくする人もいます。デザイン関係の仕事をしている人に多い傾向です。

一方で、経理の人などが使っているリストは、無駄な装飾がなく情報が整理されていて文字も大きく、誰が見ても分かりやすい。私はいろんな部署と関わることが多いので、そういったリストを見るたびに勉強になっています。物流の現場で使っている書類なども分かりやすく、誤解を招かない表現が徹底されています。一行おきにグレーの背景色が付いたボーダー柄のリスト。列が多いときに左から右に目で追うときに助かります。相手のことを考えた良いデザインです。

デザインソフトを使って何かを作ることに慣れていると、気がつかないうちにグラフィック効果やテクニックに頼ってしまいます。見た目がきれいに仕上がっていると、本質を見落としていても気になりません。「私には分かりやすいけど…」と。あなたが作った名刺やプレスリリース。FAXで送って相手が受け取ったとき、すべての文字が読めるデザインになっていますか？

デザインの仕事をしていない人も、良いものをたくさん生み出しています。デザインの仕事をしている人でも、ときに良いデザインとは言えないものを生み出しています。デザインの専門書を読むのも大切ですが、身のまわりの良いデザインにも気付いて吸収していきたいですね。

あなたのデザインは『グラフィックソフト無しで同じように伝える』ことができますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。