牛の写真の前で焼肉？

　確かにそうなんだけど、それは見せないで欲しい。そんな風に感じることがあります。醤油を刷毛で塗ってはひっくり返して、ひとつひとつ焼き上げたような手作り感のあるお煎餅。今までおいしく食べていたのに、工場のハイテクマシーンで作っている様子をテレビで見ると、なんだか今までと同じ感覚で食べられなくなってしまったりします。木材の木目が美しい部分だけを使って作ったテーブルや一枚革で作ったバッグ。いいなと思っても、良いところだけを切り取ってたくさん無駄になる部分が出ているところを見たら「もったいないな」と感じる人がいるはずです。

こんなに衛生管理が徹底された工場で作ってるんですよ！こんなに贅沢な材料の使い方をしているんですよ！と、よかれと思って見せていることも、見る人によっては逆に魅力や興味が半減してしまうことがあります。包み隠さずにありのままを紹介することは間違ったことではありませんが、それを消費する側はどう感じているのでしょう。

私たちが良いと思って示していることは、果たして相手とってもよいことになっているのでしょうか？最近は、生産者の顔を紹介したお肉や野菜も多いですよね。人が見えると安心するのは確かですが、生産者の中には強面の方、やる気がなさそうに見えてしまう方、茶髪というだけでチャラチャラしているように見えてしまう方など、そんな人ではなくても外見でマイナスの印象を与えてしまう場合も…。何でもオープンにすることが正解という考え方になってしまうと、そこで生じている良くない影響などを見落としてしまいます。自分が良いと思うことでも実行する前によく検討することがやっぱり必要なのだと感じました。

あなたが『見せないで欲しかった』ものは何かありますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。