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たまにはちがうのが食べたい?

 

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 ずいぶん前になりますが、会社勤めをしていたときに昼食を500円以内で済ませるため、毎日同じファーストフード店に通っていたことがあります。メインの飲食街は人通りの多い別のエリアにあって、ほとんどのサラリーマンはそちらに行くのですが、安く済ませられるお店がその辺りには無かったため、少し離れたそのファーストフード店に。あるとき、その店のすぐ近くにチェーン系の中華屋さんがオープンしました。お財布事情が厳しいサラリーマンたちは、その中華屋さんに押し寄せたんです。

 

何も特別変わった話ではないのですが、私が当時気になったのは、その中華屋さんの出店場所の選び方でした。その地域に飲食店を出そうとする企業は、たいがい繁華街を選んでいました。歩いているのは食事目的の人が多く、自店での集客活動がほとんど必要ないからです。通常の立地調査だったら、その繁華街がベストな候補になりそう。しかし、その中華屋さんは繁華街には出店しませんでした。これは聞いた話なので本当かどうか分かりませんが、その中華屋さんが新規出店場所として求める立地条件は、あるファーストフード店がすぐ近くに出店していることだったんです。お客さんのターゲット層が同じでサービス内容も似ている。その場所でお店の経営が維持出来ているなら、自ら調べなくてもその場所が自分たちにとっても好立地ということになりますね。

 

ただ、一番の理由は別の視点にありました。『たまにはちがうものが食べたくなるから』。当たり前ですが、毎日同じものを食べていたら飽きます。いろんなものがあったら飽きません。それなら普段の食事に飽きている人がたくさんいる場所にお店を出せば、選ばれる可能性が高いわけです。私たちは、何かで自分を選んで欲しいとき、同じような人がたくさんいる環境にいることが多いですよね。競争も激しいので、自分を選んでもらうことは至難の業です。何にでも当てはまることではありませんが、もしかしたらこの中華屋さんのように、自分を直接的に求めていない相手に選んでもらう方法もアリなのかもしれませんね。

 

 

あなたは『相手に自分を選んでもらう』ために、どうしていますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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