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太ったマネキン?

 

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 前々から気になっていたことがあります。洋服屋さんで、スタイル抜群の無機質なマネキンしか無いことです。『洋服を良く魅せるため』と言ってしまえばそれまでなんですが、商品を見せる目的は、商品を良く魅せることだけではないと思うんですよね。お客さんが見たときに、自分が使うシーンを想像できることも重要だと。洋服屋さんだったら、少しお腹が出ているおじさんマネキンや6頭身ぐらいのマネキンの方があってもおかしくありません。買い物で、妻が水着を見ているのに付き合っていたら『体型カバー水着』というコーナーがありました。それなのにパリコレモデルのようなマネキンが使われているのは違和感がありませんか?

 

ただ、本当の理由は分かりませんが、スタイル抜群のマネキンを使っていることに、なんとなく理解できるところもあります。それは、想像を膨らませてもらうことが出来るからです。商品の使用シーンをリアルに再現した場合、その通りのイメージは湧きますが、それ以上のイメージは湧きません。例えがあまりよくありませんが、安価な家具屋さんのお店のコーディネートは、自宅に取り入れられそうな気がします。リアルだからです。でも、海外ブランド家具の展示はリアルからはほど遠く、取り入れられる気がしません。その代わり「こんな家に住めたらな~」なんて想像をします。キャンプ用品を扱っているお店の展示を見て「こんな外国みたいなキャンプやらないでしょ!」なんて思ったことはありませんか?でも、同時にこう思ったはずです。「私だったらこうする。」

 

私が、お店の展示や撮影用のコーディネートをする人によく話しているのは『それを見て、想像が膨らむかどうか』。それはリアルを無視するという意味ではなく、想像するきっかけを潜ませるといった感じでしょうか?以前、たくさんの家具コーディネートの写真を見てもらい、どれが気になったかを何人かに聞いたところ、面白い結果が出ました。。ダントツ1位になったのが、あまり良くないコーディネートの写真だったんです。「ここが、こうなっていたらバランスいいのに…」「ちょっと寂しいからここに色を加えたら…」など、その写真を見てみんな自分のアイデアを語っていました。想像が膨らんでしまったんです。展示の考え方は様々ありますし、人によって見方はちがうものではありますが、自分の考えを伝えるという視点だけでなく、相手の考えが加わるという視点も持ち合わせていると、きっと自分の想像以上に広がっていくデザインになると思っています。

 

ちなみに海外にはリアルな体型のマネキンもあるとかないとか…。

 

 

あなたが『私だったら...』と想像してしまったモノは、何かありますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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