その他大勢は大勢いる？

　日本人の服装は、だいたい黒•茶•ベージュ•白の組み合わせ。日本人の体型や顔立ちに合うからでしょうか、日本人にはそんなイメージがあるようです。そこから「欧米みたいにもっと色を取り入れようよ！」そんな意見が…。たしかに欧米の人たちはカラフルな色も似合います。外資系のアパレルブランドでは、鮮やかな原色系の色や蛍光色が店内を彩っていますね。「日本も十二単とか鮮やかな着物を着ていた時代があったのに…」。

でも、ちょっと待って！それはごく一部の人たちの話。その他大勢の日本人は、地味な配色の服装だったはずです。それは現代でも同じだし、欧米でも同じで地味な服装の人はたくさんいます。当たり前な話ですが、その他大勢は大勢います。ただ、その他大勢のことはめったに表に出てきません。だから私たちは、本当はよく知らないはずなんですよね。それなのに、自分がほんの一部分だけ知っていることで、そのカテゴリーすべてを同じだと考えるのは、よく考えたらおかしなことです。自分がそう思うだけならいいのですが、その考えを元に何かを作ったり誰かと接したりすると、ズレた行動になってしまいます。

日本に来て渋谷や原宿だけ立ち寄った外国人に「日本人はみんなオシャレだね」と言われるのと同じだと思うんです。女性はパスタやチーズやアボカドが好き。そんなことないのは分かっているはずでも、イメージで一括りにしてしまいがちです。私のまわりの女性はガッツリ系のご飯好きが多いので、みんな不思議がってるんです。「どうして女性向けのお店には食べたいモノがないのか？」牛丼を食べたい女性やスイーツを食べたい男性がお店に入りづらかったりするのは、お店の雰囲気や客層と言われますが、それと同じくらい『勝手なイメージを持たれていること』が影響しているのではないかと思います。

あなたが持っている、あるいは持たれている『勝手なイメージ』は何かありますか？

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。