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おまけじゃない方?

 

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 私は最近、パンをたくさん食べています。理由はパンに付いているシールを集めて景品をもらうためです。妻が好きなキャラクターのグッズということで協力しているんですが、ふと思います。「パン自体の美味しいかどうかなんて気にしなくなっている…。」メーカーはパンの味にこだわって作っています。それなのに、商品自体に目がいかない。おまけが商品より勝ってしまっているからです。本屋さんに行くと付録つきの雑誌がズラリ。誌面の内容はあまり気になりません。今の時代、商品内容そのもので勝負するのが難しいのも分かります。売れてなんぼの世界なのかもしれませんが、モノづくりをしている立場として商品を気にしてもらえないのはやっぱり寂しい気持ちになります。

 

以前、『地方の伝統工芸をデザインの力で○○』といった記事を雑誌で読みました。面白いイベントを企画して伝統工芸品を紹介するような内容で、結果的に人がたくさん集まって大成功といった記事だったんですが、それを読んでいてどこか違和感がありました。スポットライトが当たっているのがイベント内容の方だからです。決して商品をないがしろにしているわけでもなく、むしろ積極的に紹介していて売上も上がっているようでした。ただ、イベントの方が勝ってしまっていただけ。

 

他の何かの力を借りれば結果は出やすい。自身の力だけでは難しいのもよく分かります。ただ、力を借りて結果が出ると、その力を借り続けたくなってしまいます。「セールをやったら売上が大幅に上がった!」そうなったら、セールを頻繁にやりたくなりますよね。そのとき、お客さんの目的が商品ではなくセールだったら要注意。私の仕事の中にも、販促企画を考えたり、商品に付加価値をつけることはあるので偉そうなことは言えないんですが、他の魅力で本来の魅力を隠してしまわないように気をつけたいと思います。

 

 

あなたは、おまけ付きの商品を買ったとき『おまけじゃない方』を気にして見ていますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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