私はソファに座りません

　私は10年近く家具づくりに携わっていたのですが、ずーっと気になりつつも内にとどめていたことがあります。「私はソファに座らない…」。自宅にソファはあるのですが、いつも床に座ってソファにもたれかかっています。

家具業界が不況だと言われる中、ソファやダイニングセットをどうしたら売れるかばかり考えていたのですが、内に秘めていた自分が突っ込みを入れるんです。「だって床生活で育ってきたでしょ！」と。座卓でごはんを食べて、和室に布団を敷いて寝る生活が染み付いている私には、無理をして洋式の生活をしているようにも思えてしまうんです。もちろん、ソファやダイニングが当たり前の生活を送ってきた人は何の問題もありません。ただ、40代•50代、それ以上の方たちの中には、床生活に親しみがある人も多いはずです。そんな方たちにソファやダイニング…。

高齢化社会に備えて、お年寄りが快適に過ごせる最新設備などがどんどん出てきています。「負担なく快適に暮らしたい」「安心して暮らしてほしい」需要と供給がマッチしているように見えます。でも、うまくいっているからこそ「本当に合っているのか？」を考えることも必要だと思っています。良くしようとしていることを否定的に捉えるつもりは全くありません。むしろ素晴らしいです。本当の本当のところは合っていない可能性もあるし、合っている可能性もあるし…。自分が使いやすいと感じているモノが本当に使いやすいか？そんなことは簡単に分かることではありませんが、考える余地があるテーマだなと思いました。

あなたが『本当の意味で満足』できたと思ったモノはありますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。