自分と同じように？

　私はデザイン関係の仕事をしています。きっかけは子供の頃から、絵を描いたり工作したりするのが好きで、小学校の図工の時間はただただ楽しかった記憶がうっすらと残っています。でも、中学生になって嫌いになってしまいました。理由は先生の教育方針のちがいです。どちらの先生が良いわるいというのは全くありません。私が拒んだだけです。

小学校では「好きなように自由にやっていいよ」という指導方針の先生で、極端ですが、授業の課題とは全然ちがうものを作ったりしても怒られませんでした。中学校になると「こういう描き方がいいよ」と、自分がやったものに対してテコ入れがされるようになりました。私はひねくれた性格だったので、「別に先生と同じ描き方ができるようになりたいわけじゃない」と拒んでしまったんです。その先生は、私の技術を伸ばそうとしてくれただけで、全くわるくなかったんですけどね。

人によっては、自分のコピーを作りたがる人がいます。後輩や部下ができると、自分と同じだけ出来るように指導する人です。私も恥ずかしながらそう考えてしまっていた時期がありました。確かに自分と同じように動ける人ができれば、仕事ははかどるかもしれません。山のようにある仕事も同じくらいのクオリティで手分けしてできると思います。ただ、私の少ない経験の中だけではありますが、自分のコピーをつくろうとした人でうまくいった例は見たことがありません。当たり前ですが、人それぞれ個性があります。「師匠のようになりたいです！」と本人が望んでそうしているのなら話は別ですが、押し付けてしまうと相手の身にならないので「自分と同じように」は考えないと決めています。本人にそんなつもりがなくても、私のように「あなたのコピーになりたいわけじゃない」なんていう人もいるかもしれないので…。ただ、自分から指導を頼んでいたら、どんな教え方をされても文句を言ってはいけませんけどね。

あなたは、つい『自分と同じ』を求めてしまうことはありませんか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。