消しゴムで消さない？

　皆さんは普段、字や絵を描くときに何を使っていますか？シャープペン？万年筆？私はほとんどボールペンを使っています。フリクションボールペンのように消すことができるペンではなく、ごく普通の油性のボールペン。描き心地が好みだというのも理由もありますが、一番の理由は消すことができないからです。人によっては不便を感じるかもしれませんが、消せないペンには良い面もあります。

消してしまうとそれまでの過程が見えないので、どうやってそこに至ったのかが分かりません。良い面の１つは、過程が残ること。アイデアを考えるような仕事をしていると、途中で出てきたちょっとしたひと言や落書きが、後になって活きてくることが度々あるんです。手描きのメモだけでなく、パソコンを使って作業するときも、できるだけ前のデータに上書きはせずに残しておくようにしています。

もう１つは、直せないので勢いよく描けることです。感覚的なことなのでなかなか共感はしてもらえないと思いますが、直せないという適度なプレッシャーが、描く線や言葉に勢いを与えてくれるんです。緻密に絵を描くときはまた別ですが、アイデアスケッチ段階では頭の中を思い切りよく紙に落とし込めるので、消せないボールペンが欠かせません。普通はきれいに描くことや間違えないことが好まれますが、多少きたなくても思いがストレートに表現できたり、グチャグチャだからこそ発想が展開されたりする良い面もあります。修正がきくことばかりに慣れてしまうと、間違えてもどうにかなるという考えになるこもあるので、たまには直せない方法を使ってみるのもいいですよ！

あなたは『修正できない』方法についてどう思いますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。