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ルビを振らない?

 

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 子供の頃、本を読みたいと思ったことがあり、装丁のデザインに惹かれ思い切って買ったのですが、結局途中で読むのをやめてしまいました。それ以降、本を読むことはほとんどなくなり、大学に入ってようやく読むようになったぐらいです。当時、途中で読むのをやめたのはありきたりな理由で、漢字が難しくて読めなかったからです。もっと分かりやすい言い回しにすればよいのに…、ルビくらい振ってくれればいいのに…と思っていました。今になって考えれば作者の表現方法として捉えれるんですけどね。

 

どうしてルビを振らないか?友人とそんな雑談をしたときに、もうひとつの捉え方が出てきました。それは、その漢字を読める人を対象としているから。大人に向けて書いたものだったら、本という漢字に“ほん”とルビを振ることはありません。まだ漢字を覚えていない子供が読めないのは当然です。私たちは対象者を想定して、伝え方を選んでいるのではと考えたんです。例えば『テナント募集』の看板。テナントという言葉を知らない人に募集を知らせても意味がありません。だから不親切な表現では全くないわけです。

 

意識的にやっているのか無意識かは分かりませんが、私たちは対象を見て伝えているのではないでしょうか。それは同時に、対象のことが分かっていないとズレた伝え方をしてしまう可能性もあるような気がします。『スタイルアドバイザー募集』。そんな求人に応募が集まらないのは、販売職や営業職をやりたい人ではなく、かっこいい仕事に憧れる人を対象としてしまっているからなのかもしれないと、ずっと貼ってあるポスターを見てふと思ってしまいました。

 

 

あなたは『対象』を意識して伝えていますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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