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Uの上に麻呂?

 

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 ドイツ語の『 Ü 』。この文字を人に伝えるときの方法はたくさんあります。上の点々のことを『ウムラウト Umlaut 』というそうですが、「Uの上にウムラウト」と言われても分かる人はそんなにいません。知識を持っている一部の人にしか伝わらない伝え方です。「Uの上に点々」なら、たくさんの人に伝わります。みんなが同じものを連想する表現です。それと比べると「Uの上に麻呂」は、一瞬?マークが頭に浮かぶ独特の表現です。頭の中で「麻呂?」といろんな想像をしてしまいますよね。でも、私はそんな相手に想像させる表現が好きです。

 

普段は、知識があってもなくても、どんな人でも理解できる表現や伝え方を心掛けています。だた、それが良いかというと、そんなこともないと思っています。誰もが理解できるということは、同じものが頭に浮かぶ反面、想像は膨らみません。『分かりやすい』は『想像させない』とも言い換えられます。想像させないことは、自分たちの考えの通りにしたい表れでもあります。そう考えると、想像を膨らませてもらうことは、何かを発信する側にとって大切にしなければならないなと思うんです。

 

万人から共感を得ようとすると、誰からも支持されない。誰かが言っていました。万人受けを狙ったテレビや映画はヒットしなかったり、分かりやすすぎる作品は考えさせられることが少なかったりするような気がします。宮崎駿さんは多くの人に向けてではなく、特定の誰かのために作品をつくっているとか。「近年の作品は何を言いたいのか分からない」なんていう意見もありますが、分からないのは何が言いたいのかいろいろ想像してしまったということなので、そういう意味でも素晴らしい作品なんだなとあらためて気付きました。

 

 

あなたは『想像させる伝え方』についてどう思いますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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