思い出の先行投資?
財布の紐がかたくなっている今、安価な商品であっても売上をあげるのは難しく、高額な商品に至っては付加価値をつけてもなかなか売れません。とはいえ、高額でも売れている商品もあります。
例えば、1つ2,000円のハンガー。その商品に金額以上の価値や魅力があって、それを理解できたとしても、購入する人はごくわずか。自分が持っている服とのバランスがわるいからでしょうか。いくら良くても3,900円のワイシャツを2,000円のハンガーにはかける気になりません。一方で、家や車や結婚式には価値や魅力があれば、高額でも購入します。費用さえ工面できれば、自分の所得や生活水準とのバランスはそれほど気になりません。家賃6万円のアパートに住んでいる人が、300万円の車を買うことも普通にあります。
ブランド力だけでは説明がつきにくい両者のちがいは何かと考えたとき、それはたぶん思い出の先行投資じゃないかと思いました。車でいろんな場所に行って思い出をつくる。結婚式は一生に一度の大切な思い出になる。高額の商品に限らず、欲しくなる商品には思い出が見え隠れしています。金額が高めの商品を売るために、付加価値を加えることや良さを理解してもらうことに躍起になってしまいがちですが、それよりも『その商品でどれだけの思い出を作ることができるか』をイメージしてもらうことが重要なのかもしれません。
あなたが奮発して買った商品で『思い出づくり』ができたことはありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。