理由はファッション?
コンビニで挽きたてコーヒーの販売がはじまったとき、個人的にはそこまで普及すると思っていませんでした。日本人みんながコーヒーを好んで飲むイメージもありませんでしたし、その場で飲むわけではなく入れたものを持ち帰って飲む。味は確かに美味しいのですが、片手が塞がってしまう不便さや、持ち帰ったときには氷が溶けて薄まっていたり、ぬるくなっていたり…。機能面だけで考えると、普及した理由は出てきません。それ以前にファーストフード店などで持ち帰り可能なコーヒーが販売されていたことも考えると、ますます理解しがたいですよね。
『ファッション』のひと言で片付いてしまいそうですが、なんだかしっくりきません。欧米人がコーヒーを片手に街を歩いている姿は確かにカッコよく見えますが、それは治安や景観を守る目的で自動販売機が無く、コーヒースタンドで買う選択しかない環境だから。自然にそのスタイルに至ったことや必然性も含めてはじめてファッションと呼べるような気がするんです。抽象的な表現になりますが、“他のことが伴っているからカッコいい”といった感じ。もちろんファッションの定義は人それぞれですが、日本のファッションは表層的なところにだけ視点があたっているように見えます。
クラッチバッグが少し前に流行っていましたが、片手が塞がって収納力がほとんどないあのバッグを、どうしてみんな好んでいたのでしょうか。どこに行くにも車移動で荷物を持って歩く必要がないわけでもありません。それもまたファッションでしか説明がつかないのかもしれませんが、日本で言うところのファッションと、欧米のファッション。何だか同じようでちがう気がするんですよね。
あなたが思う『ファッション』って、どんなものですか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。