言わないデザイン?
お正月やクリスマスにシャンパンを飲んだ方はいらっしゃいますか?シャンパンは、香りや味はもちろんですが、泡が美味しさを決定づけると言われているのですが、その泡を絶妙な加減で発生させるために、細長いシャンパングラスの底には目に見えない細かいキズがわざと付けてあります。シャンパングラスならではのきめ細やかな泡が、フレッシュさやクリーミーさを引き立てているそうです。シャンパングラスを出すときにそんな説明はしませんけどね。
モノの裏側やこだわった点などは、つい相手に伝えたくなるものです。自分がつくり手の立場だったらなおさら。でも、伝える必要がなかったり、伝えることで相手が冷めてしまう場合も少なくありません。例えば、お客さんを入れて収録するテレビ番組などでは、収録前に芸人さんが説明を兼ねて場の空気や気持ちを盛り上げています。私たちが見るのは、温まった空気の中で楽しくスムーズに進行していく姿のみ。あえて前説の人のサポートを表で称えるようなことはしません。
私たちは、良い情報は多ければ多いほど相手にとってプラスになると考えがちです。でも、情報を加えることでプラスになるとは限りませんし、かえって一番の魅力が薄れてしまう場合も。際立った(際立てたい)魅力があるとしたら、他の情報を加えるかどうかはよく検討したほうがいいと思っています。雑学やうんちくはつい披露したくなってしまいますが、「それを聞いて良かった~」という人ばかりではないですからね…。
あなたは、こだわっていることは全て伝えたほうがよいと思いますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。