とりあえず…とりあえず?
家を建てた後に「やっぱり木造じゃなくて鉄骨にしたい!」、そんなことを言う人はひとりもいません。直すことが不可能だからです。「やっぱり間取りは2LDKじゃなくて3LDKにしたい!」、内容によっては対応することもできるかもしれませんが、これも基本的には直すことはできません。取り返しがつかないことは、内容をトコトン詰めて完成をイメージしてつくります。
もし、簡単に直すことができたら?…そうなると、なぜか途端に内容を詰めることを怠ります。とりあえずでつくりはじめて気になったら都度直す、その繰り返し。余計に時間がかかって大変な作業になります。取り組む内容によっては手探りの状態で、はじめてみないと分からないこともありますが、全てがそれに当てはまるわけではありません。この『直せるから“とりあえず”』が、仕事を大変にしている理由の半分ぐらいを占めていると思っています。
『とりあえず』のデメリットは他にもたくさん。間違えても直して調整していけば最終的には大きな失敗になることはありません。そのため、初期に完成をイメージする力がつかないんです。そして一番は、良いモノがつくれないこと。直して、直して…直し続けると中途半端なモノになるケースがとても多い。はじめに『とりあえず』でつくったモノをベースにいくら手を加えても、元が『とりあえず』だったら良いモノにはなりませんよね。やむを得ない場合もたくさんあるかもしれませんが、自分の行動が『とりあえず』になっていないか見直してみようと思います。
あなたは、『とりあえず』で仕事をはじめて苦労した経験はありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。