何が入っても大丈夫？

　名刺のデザイン。名前やメールアドレスが長い人もいれば短い人もいて、どんな情報が入ってきてもいいように考えるのは難しいですよね。人の名前は漢字4～5文字が多いとはいえ６文字以上の人もいるので、いずれかを基準にすると、その基準から離れるほどミスマッチなものになっていきます。このスペースにキレイに収めたいなど、デザイン都合で住所の一部を端折ったり、名刺に載せるべき情報を外したり…。そんなふうに見えてしまう名刺もあります。

フォーマットのデザインを考えるとき、私は無作為に選んだテキストや画像をいくつも当てはめるようにしています。例えば、画像の部分が入れ替えられるような場合、ついキレイな画像やまわりのデザインに合う画像を選んでしまいがちです。全体的にバランスが取れたものなら、提案もきっと通りやすい。でも、実際にそのデザインの運用がはじまっていくと、提案のときのイメージからは大きく外れていきます。合うものでしか試していないからです。私も若い頃はそうやって提案していましたが、結果的に相手を裏切る場合があることを経験して以降、それをやめました。相手がそのフォーマットを使って運用していくのであれば、相手に自分と同じ感覚を要求することは少し傲慢です。「自分たちで撮影した画像を入れたら、かっこわるくなっちゃって…。」そう言われたときには、自らの考えが至らなかったと反省しています。

あなたは、自分に合わないと感じたフォーマットはありますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。