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端っこを選ぶのは防衛本能?

 

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 人が端っこの席を選びたがるのは、もたれかかりたいというよりも、防衛本能によるところが大きいそうです。片側を壁にすることで、警戒すべき範囲を少しでも狭くする。興味深い話で、そう思うと他にも似ていることが結構あるなと思いました。会社のデスクの配置で島の中央の席が落ち着かず、壁を背にしたがる人がいたり、いわゆる上座も一番安全で警戒しなくてよい席をそう呼んだりします。タクシーだったら運転席の後ろが一番安全だったり、部屋の入口から敵が襲ってきても一番奥は安全です。そういった人間の防衛本能をふまえた配慮やデザインは、表層だけに留まらない力を持っているなと感じます。

 

以前、ホテルの支配人をされていた方に、こんな話を聞きました。「手を前に組むときは、必ず左手で右手を覆うんです。私はあなたに危害を加えません(殴りません)という意味なんですよ。」とても興味深い話でした。一瞬、「誰もそんなふうに思わないよ」と思いましたが、気を緩めて心から寛いでもらうためには、そういった人間の本能に訴えかけることも必要なんだと理解できました。今までデザインに携わってきて、人々の需要や思いに応えられるよう心掛けてきましたが、もう一歩踏み込んだ本能に訴えかける魅力も、これからのデザインには必要になるような気がしています。

 

 

あなたは、電車の座席が全部空いていたら、どこに座りますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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