不都合な意見?
「いつもと同じでいいとは限らない。」学生時代に何度も言われました。当たり前なようですが、結構抜けてしまうもので、課題を出される度に詰めの甘さを実感したものです。例えば、公衆トイレのデザイン。照明がたくさん付いていて明るく、個室は荷物を置くテーブル付き。使いやすくて快適に利用できるアイデアが並んだところに先生がひと言、「どんな人が利用しますか?」。課題で想定された公衆トイレの設置エリアは治安がわるく、ちょうどその頃、薬物犯罪についてのニュースが流れていたエリアでした。だから、明るすぎる蛍光灯よりもブルーライト、個室の扉は下を多めに開口する、などの防犯対策を考慮する必要があったんです。
私たちは、自分の「これいい!」を無意識に優先させて考えをまとめてしまいがちです。何か良いアイデアが浮かんだ際、様々な視点で問題が無いかを検証しますが、そのとき最初に出てくることは、必ずと言っていいほどそのアイデアにマッチすること。「よしっこれはOK!」「ここもOK!」…「ここはまぁいいか…」「これはダメだけど、ここまで良い面ばかりなら目をつむろうか…」といった具合です。検証は、ダメそうなことや怪しい点をチェックする作業。良さを確かめるだけの作業ではありません。もし「いつもと同じで…」という考えになってしまっていたら、あえて自分のアイデアにとって不都合な条件で検証してみるのがオススメです。おのずと結果も変わりますので…。
あなたが何かを検証するとしたら、それはアイデアを磨くためですか?裏付けをとるためですか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。