デザインのはてな

身近なところでたくさんの発見!

その箱はどんな箱?

 

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 先日、妻とお芝居を観に行きました。人間模様を描いたとても面白い内容に2人とも大満足。帰りの食事で、お気に入りのシーンを回想しながら話をしていると、お互いイメージしていた情景が少しずつちがっていて、それもまた面白いなと思いました。そのお芝居は、衣装以外の美術セットはほとんどなく、白いボックスや布などを使ってそれぞれのシーンを描いた作品。場所や雰囲気はもちろん、白いボックスに腰を下ろせばそれがどんな椅子かまで、役者さんたちの演技から想像するしかありません。「背もたれがある彫刻がほどこされた大きな重い椅子」私はそんなイメージでした。

 

舞台も落語も小説も、こと細かに多くの情報を伝えることはあまりありません。少ない情報で、観客や読み手の想像の幅を広げています。その分、一言一言の声色・大きさ・言いまわしなど繊細なところで、描かれる景色も大きく変わる。逆に言えば、少ない情報でも磨きに磨いたものであれば、ちゃんと伝わるということ。何かを伝えるとき、伝わるか不安になって情報量を増やしてしまいがちですが、どんなにたくさんの情報があっても、伝わらないものは伝わらないし、何より伝えようとしたこと以上に広がらないような気がします。

 

 

あなたは、与えられた情報が少ないと想像しませんか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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