足りないところは工夫で?
薄くて軽いアルミ素材でできた、金づちで打ったように表面がデコボコした取っ手が木のお鍋『雪平鍋』。安くていろんな料理に使える万能鍋です。元々は陶器の土鍋だったものが、熱伝導や使いやすさを考えていくうちにアルミ製となったそう。ただその過程で、強度が問題になった雪平鍋。職人さんたちは、強度を出す方法を考え、同時に熱の伝わりが素材以上によくなるような方法を考えて、あの模様を打つことに至ったそうです。足りないところは、工夫でどうにかする。
足りないところがあるときには、それを埋めるモノを探したり、そのモノ自体を見直して、足りないところのない別のモノに変更したりすることはあります。ときには、足りないままで進めていくこともあったり…。それをどうにか工夫で埋めることが何となく少なくなってきたように感じます。それは、埋めるためのモノや代替するモノが探せばいくらでもあるからです。もちろん、そうして満足できるところまで仕上げるのは1つの正解です。ただ、そうなると欠点があるモノはどんどん選ばれなくなって、いつか無くなっていってしまうような気がして…。欠点があるモノにこそ備わっている魅力もあると思うので、知恵と工夫で欠点の無いモノに変えていけたらと思っています。
あなたは、足りないところを何で埋めますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。