翻訳されても大事なところは同じ?
「一番大切なところは、どんな形になっても残る。」最近聞いて私の中でしっくりきた言葉です。例えば、ノーベル文学賞。もしその人の伝え方のままでないと伝わらないのだとしたら、その言語が分かる人にしか伝わらないことになってしまいます。どの国の作家が書いたもので、それが翻訳されて伝わっても素晴らしさが世界共通で分かる。でなければ、成立しない賞。だから、結局一番大事なところは、形を変えても伝わるという話です。
私はデザインの仕事をしていますが、駆け出しの頃、アートディレクターという仕事がよく理解できませんでした。自分で考えて自分で形にするまでやるもので、そうでなければきちんと伝わらないと思っていたからです。最終的な仕上げを他の人に任せて、本当に伝わるのか?でも、ここ数年で考え方が少し変わって、もし他の人を介して伝わらないとしたら、それはそもそも伝わらないものではないか?と考えるようになりました。例えば、美味しいお店は口コミで広がったりしますが、はじめはいろんな魅力が盛りだくさんの話でも、広がっていけばいくほど一番の魅力だけに集約されていきます。内容にもよることで、デザインを仕事にしている私が言うのもおかしな話ですが、もしかしたら他人を介しても伝わるかどうかが、アイデアを磨く一番良い方法なのかもしれません。
あなたが人から聞いた話は、大事なところだけにまとまったシンプルな話だったりしませんか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。
ちなみに、1年前はこんな記事でした↓