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あえてのキズと本当のキズ?

 

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 長年使い込んだような風合いのある雑貨や家具をよく見かけます。塗装が剥げていたり、角が欠けていたり、錆びていたり…。一度きれいに仕上げた後にキズを付けたりする作業はとても大変で、私はもともと家具屋に勤めていたので、それらの加工の手間や労力をよく知っています。当然、商品の機能性や安全性を下げてはいけないので、多くは使い込んだように見える加工で、本当に錆びたり割れたりしているわけではありません。でもお客さんからすると、あえてのエイジング加工なのか、本当のダメージなのか分からない場合も。まれに本当に錆びているケースもあるからです。

 

先日、たまたま立ち寄ったお店で流木を販売していました。同じぐらいの大きさで200円と1000円の2種類の流木。枝ぶりなどに差はあるものの、一見するとちがいは分かりません。店員さんに聞くと、高い方は仕入れた商品で、安い方はオーナーが趣味で拾ってきたそう。そんな安い方の流木に興味を持つお客さんたちを見て、大丈夫か不安になってしまいました。流木は灰汁抜きなどが必要で、殺菌や乾燥も含めると数ヶ月はかかる下処理が大変なものだからです。普通に考えれば200円で販売しても割に合いません。でもそれを知らなければ、海岸に落ちていることもある流木に1000円の価値を見い出すことはできません。消費者が判断することの難しさと、販売側の良識の必要性を同時に感じた出来事でした。

 

 

あなたは、錆風の加工と本当に錆びているモノを見分けることはできますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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