○○さんっぽいデザイン?
「あ~、○○さんっぽいデザインだね。」「これデザインしたの○○さんでしょ?」つい最近まで、自分のデザインを見た人からそんなふうに言われることが多かったんですが、ここ2~3年でそれがほとんど無くなりました。「(見た目が)○○さんっぽいデザイン」は、言い換えればその人が好きなデザイン。ポジティブに捉えれば個性が出ているとも言えますが、その人の色を出したがっているとも考えられます。誰かのためにデザインをする場合、それは時にブレたものを生み出してしまう…。だから、最近そう言われなくなったのは、「自分の好み」よりも「あるべき姿」を優先して考えられるようになったからではないかと。まだまだ私は足りていませんけが…。
例えばコンビニには、一流デザイナーが手がけた商品パッケージがたくさん並んでいます。私は同じ世界で仕事をしているので有名なデザイナーさんはたくさん知っていますが、それでもコンビニの商品を見て「○○さんっぽいデザインだな~」と思ったことは一度もありません。たぶんそれは、「あるべき姿」を考えてデザインしているから。実際、手掛けたデザインが後に評価されることはあっても、○○さんっぽいから評価されることはありません。自分の個性を表現することも大切ですが、誰かのためにデザインするときは、「自分の好み」を外したほうがよいかもしれません。
あなたは、自分がやったものについて「○○さんっぽいね」と言われたことがありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。