読みにくいと読もうとする?
電車のドアの脇に立っていると、真っ黒な広告がありました。黒い背景に、黒い文字。線の細い字体で小さく、若干の色の明るさと光沢の違いで表現されたもの。アイライナーという私とは無縁の広告でしたが、結果から言うと、最後まで全部読んでしまいました。メッセージは強いものの、読みにくく、強いキャッチコピーでもなく、商品の写真も無い…。普通に考えると、見てもらえたとしても読んでもらうところまでは難しそうです。
「読みにくいから、読んでしまう。」看板の内容が細かくて遠くからよく見えないときは、近くまでいって見ます。小さな子供が書いた手紙だったら、何て書いてあるか一生懸命読み取ろうとします。つい先日、村上春樹さんの新作「騎士団長殺し」を頂いたんですが、小説を読み慣れていない私にとっては正直読みにくい本。でも、読んでいます。頂き物だからでもありますが、表現が難しいから読んでいるところも…。分かりやすい表現が必ずしも分かってもらえるわけではなく、分かりにいくからこそ分かろうとする力が働くこともある。伝える仕事をしている立場としては、非常に悩ましい話です。
あなたは、相手が何を言いたいのか考えているときは、相手の説明が分かりにくいときだったりしませんか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。