一番よく見えないときは?
デザインを考えるとき…。私のチェック項目の中に、『一番良く見えない状態で考える』があります。スケッチを描くにしても、デザイン案を作るにしても、大抵は一番良く見える状態で考えがちです。「確かにそのアングルで見たら美しいね♪でも、反対側から見たらどうなの?」。学生時代に自分のデザイン案に対して、毎回ツッコまれていました。Tシャツだったら、ハンガーにかかって広げた状態やマネキンに着せた状態は確かにカッコいい。でも、畳んで陳列されている状態がカッコよくなかったら、お客さんに手に取ってもらえないかもしれません。
一番良い状態だけで考えない。これはとても重要だと思っています。写真がいくらカッコよくても、実際の場所に行ったらそうでもない…ではダメですし、いくら美味しいお弁当でも、出来たては美味しいけど時間が経ったら美味しくないではダメ。ベストな状態だけで考えるクセがついてしまうと、そうではないところを考えられなくなってしまいます。以前、ポスターのデザインをしたとき、照明が当たって人の目につく明るい場所に展示される想定をしていましたが、実際は薄暗い端っこのスペースに展示されました。当時の私は文句を言ってしまいましたが、それを想定して考えていない方がわるいんです。ベストな状態でより良く見せるためにも、他の状況下で良く見えるように考えることは大切です。
あなたは、写真を撮ったとき、写りの良いものばかり残していませんか?
*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。ちなみに、1年前はこんな記事でした↓