微妙なズレは気になる?
つい先日、イベント会場で絵を飾る作業をしました。ある本に掲載されたイラストの原画という貴重な物にも関わらず、作業にかけられる時間は約10分…。会場の環境も整っておらず、他のスタッフの手を借りることもできない中で、どう美しく飾るかを考えた結果、私が選んだのはバラバラに飾る方法でした。壁を傷つけられない環境で専用の備品も無かったため、テグスで吊るすしか方法が無く、高さの微調整がその時間では不可能だったからです。本来なら同じ高さに額と額の間隔を均等に展示するのが良いのですが、微妙にズレてしまうぐらいなら、あえてズラした方が良いという判断です。
プロの目で見なくても、微妙なズレは必ず見る人に違和感を与えます。文章の頭が揃っていない…。写真が曲がっている…。作り手が意図的にやっていたとしても、それを見る人は気持ちわるい。駆け出しの頃、ある広告のデザインで人の目を惹きつけるためにあえて全体を微妙に斜めに曲げた提案をしました。それを見た人の第一声は、「印刷ミス?少し曲がってるよ」。それからというもの、微妙なズレを特に気にしています。もし、自分があまりその部分を気にしていなかったら、ぜひ周囲の人に聞いてみてください。そこで「少しズレてない?」と言われたら、自分の感覚を見直す良いきっかけになります。揃えることが必ずしも正しいわけではありませんが、不快なズレと快適なズレがあるのは確かです。
あなたは、微妙にズレていたものが目についたことはありますか?
*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。ちなみに、1年前はこんな記事でした↓