落書きしたくなる紙？

　子供の頃、新聞の折込チラシやカレンダーの裏面に絵を描くのが好きでした。落書き帳やスケッチブックもあったんですが、落書きするのはいつも何かの裏。ふと、描きたいと思ったときに近くにあっただけかもしれませんが、いざ落書き帳を開いてもなぜかペンが走りません。まっさらでキレイな紙よりも、裏の印刷が透けて見えている紙の方が描きたい気持ちをかき立てる。あらためて考えると不思議です。

大人になって、いろんなノートやスケッチブックを使いましたが、なかなかしっくりくるものが見つからず、今は何かを描くときにはコピー用紙を主に使っています。頭の中のイメージを落とし込むときに、私にとって今一番描きたくなる紙です。最近は高級ノートなどを多く目にします。書きやすい滑らかな紙を使用したノートは明らかに良いのですが、落書きをするテンションにはなりません。これは私の場合なので何の参考にもなりませんが、他にも世の中には、同じようでも行動を起こさせる魅力があるものと無いものがあるように思います。

私はデザインの仕事をしているのですが、デザインのチェック項目に『それを見て行動するか？』という内容を入れています。欲しくなるか？とは少しちがって、椅子が置いてあったらつい座ってしまう、広告だったらその場で検索したり直接行ってしまったり、行動を伴うかどうか。『興味をひく』ところを『興味をそそられる』にするといった感じでしょうか。前のめりになってもらえることが、とても重要だと考えています。落書きの話も、描けるのと描きたくなるでは大きな差があると思うんです。最近のチラシは両面印刷ばかりで、たまに片面印刷があってもツヤツヤの紙で鉛筆では描きづらかったり、カレンダーも裏が翌月になっているものが多く、描きたくなる落書き場所が見つかりません。一度印刷した紙を裏紙として再利用する会社もありますが、それはそれで描きたい気持ちにはならないんですよね。いつか落書きしたくなるノートを作りたいな...。

あなたが『興味をそそられる』ものは何かありますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

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