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その人になりきる?

 

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 学生の頃、自分がよいと思ったグラフィックデザインを全く同じようにつくる練習をしていたことがあります。きっかけは、どうして他の人のような素敵なデザインができないのか?というところから。はじめはテクニックや表現方法を学べるメリットがあると思って取り組んでいましたが、もっとよいメリットがあることに気がつきました。それは作者の意図が分かることです。画家が有名な絵画を模写するのも、同じように描けることが目的ではなく、作者がどう考えてそのように描いたのか、作者の気持ちになるためではないでしょうか。

 

もちろん本人ではないので、実際にどう考えていたかは誰にも分かりませんが、「どうしてそこに線を引いたのか?」「どうしてここで改行したのか?」などを考えていくと、「なるほど、そう思ってこのデザインにしたんだな」と。自分以外の視点を体感できるとてもよい練習方法だと思っています。でもこの模写をきっちりやろうとすると、意外に難しい。途中で無意識のうちに自分流に変えてしまうからです。結果同じようなものができても、そこから学べることはあまりありません。料理が得意な人が、レシピ通りに作らずに途中から感覚でやってしまうのと同じです。

 

自分以外の考えや気持ちを知ることは、デザインに限らずとても重要なことだと思っています。ただ、私たちが誰かの気持ちを知ろうとするとき、ある程度分かったらあとは想像で済ませてしまったり、いくらも知らないうちに決めつけてしまうことが少なくありません。絵の模写はひとつの例ですが、相手になりきることで自分には無い感覚を養う方法は他にもたくさんあります。自分以外の視点も持てるようになりたい、経験してみたいと思ったら、相手になりきってみてはいかがでしょうか。

 

 

あなたは『誰かになりきった』ことはありますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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