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自社だけの路線図?

 

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 電車でドア付近に立っていると、つい路線図を見てしまいます。首都圏版の広域の路線図。「あそこまで行けるのか~」「あの町行ってみたいな~」なんて、ついワクワクしながら見てしまうんですが、正直、不親切だなと思います。それは自社だけの路線図だからです。目的の場所まで行きたいときに見て、その通りに乗り換えたら、他路線を使ってもっと早く到着できるルートを後々知ったり…。今は、乗り換え案内などで簡単に分かるのでそんな不便はないかもしれませんが、「あれ?この駅、地下鉄に乗り換えられたよな?」など、見ていて違和感があります。できるだけ自社を利用してほしい意図かもしれません。

 

私は前職が家具屋さんなんですが、一度だけ面白い試みをしたことがあります。競合他社のことも案内してみたんです。同じような商品を扱っている場合、普通に考えたら競合他社の情報はシャットアウトしたくなるものです。その常識を一度壊して、お客さんの立場で一から考えてみようということに。あるテーブルを気に入ったお客さんが、それに合わせるチェアが見つかりませんでした。そこで、他社にこんなチェアがありますと案内したところ、そのお客さんはとても喜んでくれてテーブルは自社でチェアは他社で購入しました。その方法がウケて、あるショッピングセンターでは競合同士が案内しあうようになりました。

 

小売業などでは自社の商品を半ば無理矢理に薦めるようなことがあります。ただ、購入には至っても、気に入ったものを選んだ満足感が得られないとその後は続きません。自社にとって不都合な情報を隠した案内は、かえって相手に不信感を抱かせたり、十分な比較検討が出来ずに満足しきれない場合があります。「そんなことをしたら他社に流れてしまうじゃないか!」きっと本当に流れてしまうから、どこの会社もそうしていないのでしょうね。ただ、他社を案内しても自社を選んでもらえるくらい、自信を持って提供できる商品やサービスをこれから作っていきたいと思っています。

 

 

あなたは気になった商品があったとしたら「他社の情報」を知りたいと思いますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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