見る位置から見やすい?
道路の地面に描かれている標識、『止まれ』は車の運転席から見やすいように、タテに伸びた状態になっています。信号も停車位置から見やすい角度になっていたりと、道路標識は見る位置がだいたい決まっているため、そういった対応がしやすいのかもしれません。
一方で街頭の広告はどうかというと、特に見る位置を配慮したデザインにはなっていません。ビルの屋上看板であれば、一番見る位置から見やすいようにタテに伸びていたり、角度がついていたりしてもよさそうです。確かに誰がどこから見るかは分かりません。それでも、一番多く見る位置が存在する可能性もあります。どこからもよく見えないよりは、特定の位置からはっきり見えるほうが効果が高いかもしれません。
広告で高い効果を求めようとするときによく広くアプローチすればよいと考える人がいます。確かにターゲット層が広い商品もありますし、ターゲット以外の人が興味を持つ場合もあります。ただその場合、特定の人に強くは伝わりません。多くの人にうすく伝えたほうが効果があるか、少ない人に強く伝えたほうが効果があるかは何とも言えませんが、少なくても内容を強く伝えようとするならば後者のほうがよいと思っています。映画でも小説でも、万人ウケを狙った作品は強く印象に残りませんからね。
あなたは、自宅に壁掛け時計を付けるとしたら、どこからも見やすい位置に付けますか?よくいる場所から見やすい位置に付けますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。