一足飛び?
人に何かを教えるとき、本人は分かりやすく説明しているつもりでも、相手が置き去りにされていることがあります。それがいくら具体的であっても、端的で分かりやすい説明でも、相手の理解している範囲から大きく離れた内容を教えることは出来ません。自分たちの基準を一度切り離して、段階を踏むことが必要になります。
何かを提案するような場合でも同じように言えます。例えば、お部屋のコーディネートを提案するような実例が掲載された雑誌。どうすればオシャレな部屋にできるかが分かりやすく書いてあるのですが、ついていけない読者もいます。スチールラックにテレビを載せて、カラーボックスに物を収納、カーテンレールにハンガーを掛けていて、照明はよくある丸いシーリングライト…。そんな部屋の人にいきなり『アクセントカラーの取り入れ方』を提案しても、聞き流されてしまいます。一足飛びの提案は、発信者側の満足で終わってしまうこともあるのではないでしょうか。
私たちは、相手にとって分かりやすい方法やもっと良くなる提案を考えて伝えています。でもせっかくなら、相手が理解できたり実現できたほうがいい。例えば、部屋をオシャレにしたい人が手始めに無印良品を利用したりします。そして『無印卒業組』と呼ばれるもっとオシャレにしたい人たちは、専門店に足を運びます。段階を踏んでいくんです。ちょっと興味が湧いて覚えてみたいことがあっても、本気でプロを目指すような専門学校には行きません。世の中を見てみると、相手と近いところにポジションをとっているモノやサービスはうまくいっているように見えます。相手との距離が遠いなと感じたら、ひとつ前の段階を提案してみるのもアリかもしれませんね。
あなたが『ついていけない』と感じたことはありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。