見たことないから見てみたい?
日本に来る外国人観光客が年々増えています。その国の文化や好みに合わせたアプローチをすれば、確かに安心できるかもしれません。でも、私たちが海外に行ったときに見てみたいと思うものって、日本っぽいものではありませんよね。むしろ日本っぽくないものに興味が湧くことの方が多いのではないでしょうか。
ある企業が多言語対応の自動販売機を設置する試みを行っていました。日本の自動販売機のスタイルはそのままに、言語だけ分かるように変更したものです。私はそれを見て、利用する外国人観光客は多いだろうなと思いました。一方で、飲料の好みや使い慣れている操作など細かな部分まで配慮された外国人観光客向けの自動販売機もあるようで、企画担当者の方は自信満々に語っていましたが、これは利用者が少ないだろうなと…。
海外にはあまり無い自動販売機に着目した飲料メーカーの発想は同じですが、その先で大きく別れています。物珍しさに着目したはずなのに、一方は物珍しくなくなってしまっている点です。内容を詰めていって良くなっているはずが、元々の企画趣旨からズレていくことはよくあります。特にこわいのは、自分たちが気付かないこと。相手にとって良いことを取り入れていくのは決して間違っていませんが、何かを取り入れるときは目的との照らし合わせをその都度行う必要があるのかもしれませんね。
あなたは、良くしていったはずなのに本来の目的からズレてしまった経験はありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。