生ビールなら量はこのくらい?
「ネットのこの会社、ロゴマークのデザインを1万円でやってくれるって!この前の人は3万円って言ってたから、こっちのがお得だね。」たまに、そんな話を聞きます。確かに費用だけで比較すれば、1万円の方を選びたくなりますよね。はじめての依頼で費用以外の部分がどう違うのかは、その業界の人でないとなかなか分かりません。一般の人はそんなに何度も依頼することはありませんので、他の会社を知ることなく、その会社が基準となります。
1回目は何を選んでもいいのですが、問題は2回目。1回目と比較されるからです。1万円で受けた品質とサービス。それが基準となっている人に3万円で依頼してもらうためには、当たり前ですがその基準よりも良い品質とサービスを提供しなければなりません。同等のモノを提供しても難しいことは誰でも分かります。でもこれ、実際はとても難しい。相手の基準が分からないからです。相手が1万円でどこまで満足していて、3万円にどこまで期待しているかが分かっていないと、ズレたモノを提示してしまう可能性があります。
相手の基準に全て合わせていたら、自分たちの仕事が成立しない場合もあるので、相手を理解して合わせることが必ずしも正しいわけではありませんが、相手の基準を理解するところまでは必要だと思っています。デザインに関わっていると、デザイン性の高さや素材へのこだわりなど、過大評価してしまうことがあります。その良さを理解してもらえる環境であればいいのですが、伝えたい相手にとっての基準に見合っていない場合はどうしても伝わりづらい。自分たちのモノの良さを理解してもらうためにも、まずは伝えたい相手の価値観を知ってから伝えるように心掛けています。
あなたは、伝える相手の基準を気にしたことはありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。