デザインのはてな

身近なところでたくさんの発見!

見えるネジ。見えないネジ。

 

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 モノづくりの仕事をしていると、どこに行って何を見ても「どうしてこの作りにしたのか?」と気になってしまいます。職業病です。先日も電車に乗ってドア付近に立っていると、手すりの隅っこにネジが留まっているのを見つけて、どうしてそうしたのかが気になりました。使われていたのは頭が丸いネジで手で触れても安全なのですが、普通は手に触れたり見えるところを表からネジ留めするつくりにはしません。触れないほうが快適で見た目もよいからです。

 

それでも見える位置に表からネジで留めているのには理由があります。電車の場合、分解して点検する頻度が高かったり、部分的に傷んでも簡単にパーツを交換することができるためなど理由は様々ですが、日々のタイトな運行ダイヤに支障がでないようにするために(お客さんのために)その仕様にしていたりします。対象を変えてスマートフォンの場合はどうでしょうか?販売してから点検する機会がほぼ無く、お客さん自身で分解することはありません。だからネジはできる限り見えないようになっています。手で触らない部分がないぐらいの商品ですので、ネジは表にないほうが快適で見た目も美しいですよね。

 

しかし最近、仕様の理由が内向きのパターンをよく見かけます。お客さんがそのネジを回す必要や機会がないモノでも、表側から大胆にネジ留めされていたり、ネジの頭が出っ張っていたり。そして何より気になるのは、一辺倒になっていることです。「ネジは留めやすくする」「ネジは隠す」など、場合分けではなく決めつけてしまうケース。デザイン関係の人は何でも隠したがったり、製造現場の人は作りやすさや組み立てやすさを求めることは多いです。デザインチックな商品を見ると「それ緩んだらどうやって締め直すの?」と突っ込んでしまうことも...。老舗の商品はパッとしないなんて言われますが、今風の商品よりもよく考えて作られているので、学ぶところはたくさんあるような気がします。

 

 

あなたは『見えるネジと見えないネジ』を使い分けていますか?

 

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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。

 

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