テレビデオ発想？

　若い人はもう知らないかもしれませんが、ひと昔前、テレビデオというテレビとVHSビデオデッキが一体になった商品がありました。両方を単体で購入するよりも安く、レンタルビデオの普及から人気がでましたが、テレビ機能とビデオ機能のいずれかが故障したら使用出来ない点や裏番組を録画できないデメリット等も同時に指摘された商品です。テレビデオが良いもわるいもありませんが、私がデザインの指導を受けた方々からは、テレビデオ的な発想は控えるよう度々言い聞かせられました。

「和食の味付けは引き算。素材を活かすことが大前提。いろんなモノを足していく考え方がダメなわけではないが、本来の目的や機能を果たさないままに、足すことで魅力を持たせる考え方はダメだ。デザインを仕事にしていきたいなら、日本の文化を学んで日本人としての誇りを持ちなさい。」

世の中を見渡すと、足し算の商品で溢れかえっています。これに流行りの○○を足したらウケるかも？この芸能人に新しく△△をやらせてみようか？など。ひとつの魅力を磨き上げて100点にするよりも、２つ合わせて100点にしたほうがきっと簡単で合理的です。世の中に足し算商品が増えているのは、日本人に支持されているということなのかもしれません。ただそこに違和感？(危機感？)を持っていたいと常に思っています。もし仮に足し算発想になることがあっても、ひとつひとつに魅力が無いと、結局は長く支持されることはありませんからね。

あなたの考え方は『足し算』ですか？『引き算』ですか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。