危なそうだから気をつける?
朝の通勤ラッシュ。電車を降りて出口へ急ぐ会社員たちが、ホームの端ギリギリを急ぎ足で歩く。「危険ですので、冊の外側を歩かないでくださーい!」駅員さんの声は届かない。こんなよくある光景は、もちろんルールを守らない方がわるいのですが、一方でそうさせてしまっていることに環境が大きく影響しているように思います。電車はたった今出発したばかりで2~3分は次の電車は来ないし、冊の外側は人が十分通ることができる幅がある。転落の可能性はあるものの、環境だけなら危なくなさそうに見えます。この危なくなさそうな状況が、人の気を緩めてしまうのではないかと。
私は以前、家具屋に勤めていたのですが、お客さんから「角張っているテーブルは危ない」「ぶつけたら痛そう」といった声をよく聞きました。確かにそうです。ということは、危険だと思っている角張ったテーブルを使うときは、ぶつけないように気をつけるんだろうなとも思ってました。逆に丸いテーブルは安心という意識が働いて、気を抜いてぶつけることもあるかもしれません。
安心して利用できることは素晴らしいと思いますし、私もモノづくりをするときに目指していることではあります。でも安心しすぎてしまうと、危険をまねいてしまう可能性が高くなるような気もします。包丁を使うときに誰でも慎重に扱うのは、危ないのが分かっているからだったりしますよね。あえて危険を強調する必要はありませんが、何かしらの危険を秘めている場合は、危なそうだと感じとれることも時には必要なのかもしれません。
あなたは『安心』しすぎて危ない目にあったことはありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。