やらなくても分かることもある？

　やってみなくちゃ分からない…。私も基本的にはそう思っています。何事も試す価値はありますし、失敗して学ぶこともたくさんあります。ただ、やらなくても分かることもあるとも思っています。似た事例や既に結果が出ていることであれば、試す前に調べれば分かることもあるかもしれません。研究者や芸術家ならどんなに可能性が低くても試し続ける価値はありますが、限られた時間や人手、状況の中で良い結果を出すためには、やっぱり可能性が高い方を選ぶべきだと思っています。

私の仕事の中で、はじめに着手した作業が毎回無駄になってしまうクライアントがいました。必ず最後に丸々作り直すパターン。当初は、初期の案を検討した結果、もっとよくするために作り直すということで私も特に気にしないようにしていましたが、必ずと言ってよいほど同じパターンの繰り返しで、私以外の人にも迷惑がかかっていて…。進め方の改善を提案したものの変わらなかったので、仕方がなくそのクライアントとの仕事を打ち切りました。

やれることは何でもやってみる。無駄なことなんて無い。ただ、それによって誰かが窮屈になってしまったり、大変な思いをすることもあります。いくらやってみたくても、そこには相手への配慮がなければなりません。毎日のように震災のニュースが流れていて、すぐにでも支援したくなる気持ちになるのは誰でも同じですが、被災を経験しているサンドウィッチマンの富澤さんの呼びかけを読んで、やりたくても控えたり、別の支援手段を探す必要もあるなと感じました。「ボランティアや物資などの支援をしたい方々もいると思いますが、受け入れ体制が整わないと逆に迷惑になる可能性もあります。…（一部引用）」

あなたは、やってみなくても分かることはあると思いますか？

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＊イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。