すぐに集まる素材でつくる?
海外のおもしろ動画を集めて、ゲストがそれをみて感想を言う…。最近はそんなテレビ番組が多くなったように感じます。多過ぎて「この動画、前に他の番組でみたなぁ」なんてこともよくあるくらい。動画に関心を持つ若者が増えた背景など、そういった番組をつくる理由はいろいろありますが、私は『簡単に作ることができる』が一番の理由ではないかと思っています。動画とタレント、いわゆる番組づくりに必要な素材さえ集まれば、あとはカタチにするだけ…。安定した視聴率が確保できて、スポンサーの要望を満たすことができるのかもしれません。
私は、自身の仕事についても同じようになってしまうのではないかと危惧しています。編集という仕事はありますが、それは素材をつくる人がいてはじめて成り立つこと。有りものの素材をまとめて仕上げる仕事になってしまうと、素材の魅力でその出来のほとんどが決まってしまいます。わるく言えば、集まった素材がよくなければよくなりません。そして何より、集まった素材から都合のよい目的を作ってしまう怖さがあります。集まった動画が心霊系だったら『心霊特集』に、バラバラだったら『びっくり動画○連発!』にすればいい。目的に合う素材をつくる手間を惜しむようになると、その場しのぎのご都合主義になってしまって、何を伝えたいかなどの大切な部分が抜けてしまうような気がします。
あなたは、手持ちの素材でまとめようとしたことはありますか?
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*イラストに登場する人や物は、すべて架空の設定です。内容は偏った見解ですが、物事を考える上で何かひとつでも気になってもらえたら嬉しいです。